├─≠ョ─ヵラス 青森分布と生息環境
魚類の分布は世界中に渡る。その環境によって異なった種が見られる。ただし魚類はすべて水中生活である。その生活している塩分環境によって、便宜的に2 つに分けられる。すなわち、海で生活する海水魚、河川や湖沼など内陸の淡水で生活する淡水魚である。しかし、海水と淡水の混じり合う河口などの汽水域で生活する汽水魚や、海水・淡水どちらでも生きられる魚もおり、この区分は必ずしも厳密でない。また、海水魚は塩湖に生息する魚も含めて塩水魚と呼ばれることもある。一部のものは生活史の中で海と陸を往復し、これを通し回遊という。
海では海岸線から外洋、深海まであらゆる所に生息する種がある。特に水深200m 以深の深海に生息するものを深海魚という。インド洋から太平洋に多くの種があり、大西洋には種数が少ない。これは大西洋が魚類の誕生よりあとに生じ、その後の外からの進入に頼らざるを得なかったためである。
陸水では湖や池、川に多くの種があり、洞窟の中だけに見られる魚、地下水に生息するものもいる。陸水は陸と海水によってそれぞれ孤立しているので、淡水魚には地域による種分化が見られる。しかし、上位分類群はごく広い分布域を持つものが多い。これは魚類の進化の多くが大陸移動以前から起こってきたためである。
陸上は魚類の生活には適さないが、これは陸で体を支えるしくみを持たないことと、呼吸器が水から呼吸するようにできていることが大きい。例外的に鰓以外で肺や腸、皮膚でも呼吸を行い、あるいは体の下面にあるひれで体を支えて陸を移動できるものがあり、干潟や湿地など陸上である程度生きられる魚、さらに発達した鰭で陸上を這って移動したりする魚もいる。しかしこれらの大部分も主な生活は水中であり、トビハゼのようにむしろ陸にいる時間が長いものでも、皮膚の乾燥には耐えられないし、生殖や仔魚・稚魚(幼魚)の生活は水中である。
同様に、乾期に水が無くなる場所では魚は生息できず、水が入るたびに外から侵入することになる。しかし、一部の種は乾燥期を特殊な方法で乗り切る。たとえば肺魚には泥の中に繭を作ってそこにこもり、水がない季節を耐える。卵生メダカの一部は、卵が土の中で生き延び、水が入ると孵化する。しかし例えばアルテミアのように完全に乾燥した状態に耐えるものはない。